SAP認定試験対策_SD-8

【SAP認定試験対策(SD-8)】利用可能在庫確認の基礎知識を徹底解説!

SAP SAP認定試験対策_SD-8

おつかれさまです、猫田です。

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」対策を全10回に分けて解説しています。

今回はこちらの内容です!

【SD-8】利用可能在庫確認の基礎知識

>他の回はこちらから。

「SD-8 利用可能在庫確認の基礎知識」では、以下のテーマについて解説しています。
・利用可能在庫確認範囲
・バックオーダー処理
・一括納入の指定
・補充リードタイム
・拡張ATP

認定試験対策をテーマにしてはいますが、ITコンサル初心者・SAP導入PJ担当者の方に役立つ基礎知識を解説していますので是非ご覧ください!

では、いきます!

利用可能在庫確認範囲

利用可能在庫確認範囲は文字通り利用可能在庫確認をするうえで考慮する範囲(オブジェクトの種類)を設定します。

在庫:今あるもの
入庫:これから入ってくるもの
出庫:これから出ていくもの
の3つに分けて解説します。

利用可能在庫として考慮する必要のある在庫タイプ
安全在庫、転送中在庫、品質検査中在庫などから設定できます。

利用可能在庫として考慮する必要のある入庫タイプ
購買依頼、購買発注、製造指図などから設定できます。

利用可能在庫として考慮する必要のある出庫タイプ
受注、在庫/購買管理からの入出庫予定などから設定できます。

要件に応じてこれらの範囲を適切に定めることで、適切な在庫管理ができるようになります。

バックオーダー処理

バックオーダー処理とは、受注に対して引き当て済みの在庫を、任意の条件を用いて引当直す処理をさします。

バックオーダー処理で使用できる確認方針は5つあり、この内容が認定試験で問われます。
(確認方針とは、品目所要量を処理する方法を決定するための項目、とされています)

日本語への翻訳により若干違和感がありますが、ここは試験対策と割り切って覚えてしまいましょう。

上から優先順位が高い順になっています。

「成功」
→要求通りに確認:時間通りにすべて確認される

「獲得」
→可能であれば改善:少なくとも確認しつづけ、数量を獲得する必要がある

「再配分」
→再配分:数量を獲得する必要があるが、なくなる可能性がある

「補充」
→必要に応じて確認を削除:数量が全く獲得されない。確認し続ける必要があるが、なくなる可能性がある

「消失」
→確認を削除:すべてなくなる

一括納入の指定

得意先に商品を届ける際の条件として、受注単位でまとめて届ける必要があるか、または明細や納入日程行単位で分割して届けて良いかを設定することができます。

その際にまとめて届けるようにする設定が「一括納入」であり、その設定と解除をどこで行うことができるか、が認定試験で問われます。

結論。以下の設定で一括納入の設定/解除をすることができます。
・BPレコードの一括納入区分
・受注伝票ヘッダの一括納入区分

また、分割して届けて良いとしても、最も細かい納入日程行単位で分割してよいか、明細単位ではまとめて届けるようにするか、の設定も可能です。

分割納入を明細レベルで許可したい場合は以下の設定を行います。
・得意先/品目情報レコード
・BPの”関連パラメータ”

その際の設定オプションは以下の通りです。
・複数の分割納入を許可
・1つの納入のみを登録する(発注数量を満たさない場合も含む)
・明細ごとの一括納入のみを許可
・追加納入を制限しない

補充リードタイム

一定期間先の納期の受注に対する利用可能在庫確認の方法として、「補充リードタイム」という項目の使用が選択肢にあります。

補充リードタイムとは、「品目を発注または生産し、それを社内で提供するために必要な時間」を指し、その期間経過後であれば品目が準備できるという設定です。

補充リードタイムを考慮するか否かは、利用可能在庫確認制御のカスタマイズで設定でき、その期間は、品目マスタおよびカスタマイズで指定した時間が使用されます。

受注数量に対して在庫が部分的にしかない場合であっても、補充リードタイムの設定がされていると、その期間後が納期となっている受注数量がすべて希望納期通りに確認されることになります

拡張ATP(aATP)

利用可能在庫確認の機能を発展させたのが、拡張ATP(aATP)です。

ここではその概要について簡単に触れたいと思います。

aATPの機能の一つとして、「aATPの代替基準確認(ATP)を使用して代替プラントを自動的に決定できる」というものがあります。これは、受注に対して最初に指定された拠点で当該製品を引き当てられない場合に、代替拠点を提案するという機能です。

また、製品割当と組み合わせることで商品の流通を最適化することも可能です。具体的には生産中断や需要増加などの緊急事態に、特定の地域や得意先などに特定の期間の不足品目を割り当てることで均等に配分することができ、不足品目の利用可能数量全体が1件の得意先のみに割り当てられ他の得意先からの受注を確定できなくなる、というケースを回避することができます。

aATPは以下の項目によって制御(有効化)されます。
・納入日程カテゴリ
・品目マスタに設定する利用可能在庫確認グループ
・出荷明細カテゴリ

なお、aATPの使用には専用のライセンスは必要ないということも抑えておくと良いでしょう。

まとめ

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」対策の「SD-8 利用可能在庫確認の基礎知識」では、以下のテーマについて解説しました。
・利用可能在庫確認範囲
・バックオーダー処理
・一括納入の指定
・補充リードタイム
・拡張ATP

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」は全10回で解説しています。

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