SAP認定試験対策_SD-10

【SAP認定試験対策(SD-10)】開発・分析の基礎知識を徹底解説!

SAP SAP認定試験対策_SD-10

おつかれさまです、猫田です。

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」対策を全10回に分けて解説しています。

今回はこちらの内容です!
【SD-10】開発・分析の基礎知識

標準機能では対応できない要件に応える「ユーザExits」「BAdI」の活用法を解説します!

>他の回はこちらから。

「SD-10 開発・分析の基礎知識」では、以下のテーマについて解説しています。

・CDSビュー
・SAP Smart Business
・出力管理
・拡張テクニック

SAPの標準機能だけではカバーしきれない要件を実現する手段として、ユーザExitsやBAdI(Business Add-In)は重要な役割を果たします。

本記事では、SDモジュールにおける代表的なユーザExits・BAdIの種類や活用場面、注意点を、実務や試験の観点から解説します。

「SDでよく使われるExitsやBAdIはどれ?」
「どのような場面で活用されるのか?」
「カスタマイズとアドオンの境界線は?」

こうした疑問に対して、SAP認定試験対策の観点と、実際の導入・運用の視点を両立しながら説明していきます。

テクニカル領域の理解を深めたい方や、アドオン仕様の検討に携わる方にも有益な内容となっています。ぜひじっくりと読み進めてください。

SAPの勉強方法について悩んでいる方はこちらの記事もご覧ください!

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CDSビュー

CDSビューとは

CDSビュー(Core Data Servicesビュー)とは、SQL言語を用いてデータベースモデルを作成し、様々なツールで活用できる仕組みです。

SAP S/4HANAから実装された比較的新しい機能です。
従来はABAPディクショナリを用いてビューを作成していましたが、複雑なロジックの実装、処理の高速化、を可能にしたのがCDSビューです。

CDSビューの特徴とメリット

CDSビューの特徴は様々ありますが、認定試験に出る内容は限られています。

CDSビューの仕組みは一旦置いておいて、トランザクションと分析を混合した組込分析をサポートし、リアルタイムのオペレーショナルレポートに活用できる機能、という利用者側のメリットをまずは抑えておきましょう。

SAP Smart Business

SAP Smart Businessは、分析データをチャートやタイルの形で視覚化するためのフレームワークです。新しいUIであるSAP Fioriで使用することができます。

SAP Smart Businessの主な特徴は以下の通りです。

・KPI(主要業績指標)の視覚化
・SAP Fioriラウンチパッドのタイルで構成される
・分析とアクションを組み合わせて問題を解決する例外ベースの作業モデルを提供
・伝票のステータスがグラフィカルに表示される
・プロセスフローから直接問題となっているオブジェクトをひらいて解決できる

出力管理

従来の出力決定

出力決定は条件テクニックを使用して行われます。

伝票のヘッダや明細に「出力決定表」を割り当てます。
出力決定表には「出力タイプ」を割り当てます。
出力タイプには「検索順序」を割り当てます。
検索順序は、条件レコードのキー項目を管理する「条件テーブル」の優先順位を設定します。

出力決定表にある出力タイプについて、検索順序に従って確認し、条件レコードをチェックして反映する…という仕組みです。

条件レコードには主に以下の情報を設定します。
・伝送媒体
・ディスパッチ時刻
・取引先機能

新しい出力管理方法

NASTテーブルや条件テーブルに続くSAPS/4HANAの新しい出力管理方法が
“BRFplus(ビジネスルールフレームワークプラス)”
です。

今後の開発はこのフレームワークでのみ実行されるとされています。

BRFplusの特徴は、様々な出力パラメータ(出力タイプ、受信者、フォームテンプレート、プリンタ設定など)を決定するために、デシジョンテーブルが使用される点です。これにより、柔軟で強力な出力パラメータ設定が可能になります。

デシジョンテーブルは、条件列と結果列から構成され、条件列を左から右へ順に評価し、該当する条件が見つかれば、その行の結果列の値を返す仕組みです。

拡張テクニック

拡張テクニックには以下の方法があります。
それぞれどのようなものか、まずは概要だけ抑えておきましょう。

・ユーザExit
・カスタマExit
・ビジネスアドイン
・業務トランザクションイベント
・拡張ポイント
・拡張セクション

ユーザExit

プログラムに呼び出される“サブルーチン”。
顧客独自のサブルーチンを呼び出すことができるポイントがあるので、そこにコーディングを行います。

カスタマExit

プログラムに呼び出される“汎用モジュール”。
標準プログラム内に汎用モジュールがあらかじめ呼び出されており、その中に用意されているIncludeプログラム内にコーディングを行います。

一般的には、ユーザーExitの後継とされています。

ビジネスアドイン(BAdI)

プログラムで呼び出される“クラスのメソッド”、“クラスのオブジェクト”です。
専用のABAPオブジェクトを実装することにより拡張機能を実装できる、オブジェクト指向の拡張方法です。

誤解を恐れずいえば、ユーザExitやカスタマExitの後継です。

業務トランザクションイベント(BTE)

カスタマ名称領域にある汎用モジュールが動的に呼び出されます。

拡張ポイント

モディフィケーションを行うことなくロジックを追加できるプログラム・汎用モジュール・メソッド内のポイントです。

拡張セクション

モディフィケーションを行うことなく置換可能なソースコード内のブロックです。
SAPによって明示的に提供されます。

まとめ

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」対策の「SD-10 開発・分析の基礎知識」では、以下のテーマについて解説しました。

・CDSビュー
・SAP Smart Business
・出力管理
・拡張テクニック

SAP認定試験「SAP S/4HANA Sales(SD)」は全10回で解説しています。

是非他の記事もご覧ください!

>第一回はこちら
SD-1 販売伝票の基礎知識

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